空き缶壁画制作の様子

1 アルミ缶の回収・洗浄

 平成2年から始まった空き缶壁画制作は、今年で27回目(平成28年度現在)となりました。350mlのアルミ製の空き缶21,000個を用い、縦70個、横300列に並べて壁画を制作します。壁画の大きさは縦約9m、横約21mで、秋の浪高祭に向けて校舎正面に吊り下げます。空き缶壁画は、今では地域住民の関心の的であり、地域の風物詩となっています。このため、制作にあたっては保護者だけでなく地域の方々からも空き缶の回収にご協力いただき、毎年30,000~35,000個も確保できます。
 3年生は、回収された空き缶を毎日洗浄し、乾かした後に種類(銘柄)別に袋詰めして多目的室に保管します。


  

 

2 設計図の完成

 空き缶の回収・洗浄作業と並行して、3年生を対象にその年のメーンキャラクターを題材とした原画を募集し、コンピュータを使用して画像処理を行います。
 壁画は、空き缶本来の色で配色しています。このため、赤・黒・紫・白・緑・橙など、はっきりした色の空き缶が不足しがちであり、毎年貴重に扱っています。
 2014年度は、リンゴ(「アップル」)と青森市の鳥であるフクロウ(津軽弁で「もほ」)をモチーフにした青森市観光キャラクター「もっぷるちゃん」を用い、背景に岩木山を配したデザインに決定しました。最初の段階で配色は決定しましたが、缶の集まり具合を見て調整し、色を変更することも考えていこうというスタンスをとりました。



 集まった缶を色分けして数えてみると、赤い缶が圧倒的に足りませんでした。そこで、思い切って「もっぷるちゃん」の羽を小さくし、赤いリンゴ4個のうち、1個を減らし、そのうちの2個を王林にみたてて緑色に替えて赤の缶の本数を減らすことにしました。さらに、校章の一部であるオレンジ色の缶が不足したため、多く集まった青色の缶に替え、黒色の缶の不足から縁取りをなくすことにしました。このように様々な変更をしました。
 最終的なデザインは下のようになりました。




3 穴あけ、針金通し作業

 夏休みも後半になると、3年生はパソコンで作成・処理した画像をもとに、穴あけした空き缶に針金を通す作業に入ります。コンピューター処理により、色(銘柄)別の空き缶の個数を確認するので、その時点で不足する空き缶があれば回収作業に走り回ったり、コンピューターで配色を変更したりと大変な仕事になります。2学期早々、3年生は放課後になると、第2体育館に集合して一斉に針金通し作業に汗を流します。とても活気があります。

 

 

4 吊り下げ作業

 9月に入ると、いよいよ吊り下げ作業です。毎年数多くの報道機関が来校し、県内だけでなく全国にも放映されます。刻一刻と完成していく空き缶壁画に生徒から歓声が上がります。完成した空き缶壁画は10月上旬の浪高祭終了後まで展示し、道行く人々の楽しみの一つとなっています。

 

 


5 完成

 ☆夜は18時から20時までライトアップをしています。日中とはちがう雰囲気になります。

6 解体作業
 例年、10月中旬~下旬に壁画の解体をします。台風の襲来を考慮し、撤去予定を早めることもあります。
 撤去した空き缶はリサイクルし、その益金を車椅子やテレビなど、福祉用品として地域の社会福祉協議会へ寄贈しています。